グラフィックイコライザの使用
各チャンネルの HIGH、MID-MORPH、LOW コントロールは、それぞれの入力信号のトー
ンを調整するだけですが、7バンドグラフィックイコライザは、パワードミキサーの中を
通るすべての信号のトーナルバランスを調整します。このグラフィックイコライザはま
た、ハウリング(アコースティックフィードバック)をなくすあるいは少なくするためにも
使用できます。これにより、サウンドを柔軟に調節できるようになりますが、過度な調節
は避けてください。
FLS
®
Feedback Locating System
FLS (Feedback Locating System) LED インジケータは、ハウリングをなくすあるいは少な
くする上で重要なツールです。ハウリングは、スピーカーからの音がマイクに再び入る
結果、サウンドシステムから聞こえるキーンという大きな軋み音です。FLS 機能を使用す
るには、最初にグラフィックEQ のスライダー (図20) をすべて 0 にセットします。次に、オ
ーディエンスが来る前に、ハウリングが起こるまで MASTER LEVEL や CHANNEL LEVEL を
上げます。どの LED が点灯するか確認し、対応するスライダーを少し下げます。これによ
りハウリング周波数でのゲインが下がり、この操作を必要に応じて繰り返すことで、ハウ
リングが起きる前にゲインを改善できます。ただし、音質を損なうことのないように、ス
ライダーは少しずつ調節します。
イコライゼーション
使用のヒント
ハウリングを避ける
ハウリングを扱う上で最適な方法は、イコライゼーション (EQ) の調節で済ませる前に、システムのマイクとスピーカーの配置を調べることで
す。音がオーディエンスの方に向けられ、マイクから離れるようにスピーカーが配置されているか確認します。マイクは、できるだけ音源に近
づけて配置します。マイクを近づけると、ゲインを上げる必要がなく、システムの音量が大きくなります。
マイクの使用に関するガイドライン
可能なら、マイクは1本にするほうがいいです。マイクを増やすと、スピーカーから拾う音が多くなり、ハウリングを防ぐために各マイクを下げ
なければならなくなります。ただし、マイクを持つ各人のレベルのバランスをとるのが難しい場合、あるいは十分なゲインが得られない場合、
マイクを増やすのはメリットがあります。たとえば、シンガーそれぞれにマイクを持たせれば、各シンガーにかなり近づけてマイクを配置でき
ます。これはマイク側の音量を上げることになり、複数のマイクを使用するデメリットをかなり相殺できます。また、各マイクのボリュームを個
別に調節して適切なバランスをとることができます。
Escort
®
のパッキング
Escort のメリットは少なくありません。サウンドシステム全体を、簡単に移動できるケースの中に収容できることもその1つです (図21)。まず、ス
ピーカースタンドを折り畳み、次に、2つのストラップで収容ボックスに収めます。オプションのマイクを収容ボックスに入れ、他のボックスにケ
ーブルを入れるか、スピーカースタンドとともに収容します。スピーカーを、表面を下に向けてボトムトレイの上に置き、4つのラッチを固定し
ます。Escort はこれで搬送でき、また、スーツケーススタイルの車輪で移動することもできます。
図
21
Escort 6000 がフォンや音楽デバイスとペアを組んで接続されると、Bluetooth Active LED が点滅から継続点灯に変わります。これで Escort
6000 を通して接続された音楽ソースから音楽を再生できます。レベルは接続されたソースからか、チャネル9のコントロールで調節できま
す。
*ワイヤレスレンジはソースデバイスの Bluetooth クラスによって変わり、壁面や他のデバイスなどの干渉を受けることがあります。
EQ スライダがゼロ位置
図20