第 4 章 保守・サービス
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*2 分極:物質に電界を印加したときに、物質を構成する正電荷と負電荷
が互いに逆方向に移動し、正負電荷の中心位置がずれる現象
症状 確認項目
スイッチ付きリー
ドの MEASURE
キーがきかない。
( p.17) の図のようにスイッチ付きリードを根
元までしっかりと接続してください。隙間がある
と MEASURE キーが動作しません。
測定値がふらつ
く。また、他の絶
縁抵抗計で測定し
た測定値と測定結
果が異なる。
測定対象近隣の充電回路からの誘導電圧(ノイ
ズ)の影響
→近隣の充電回路のブレーカも切ってください。
切れない場合は、もっとも低い測定値を測定結
果として採用してください。
測定対象の容量成分(コンデンサ)が大きい。
→コンデンサを外せる場合は外して測定してく
ださい。外せない場合は、もっとも低い測定値
を測定結果として採用してください。
同じ測定対象を測
定しても、測定す
るたびに測定値が
異なる。
絶縁物の分極
*2
の影響
→ 1 回測定した後は十分な時間(目安:1 時間~
1 日)をおいてから再度測定してください。
絶縁抵抗の高い場合ほど分極の影響は顕著に
なります。
絶縁物の温湿度特性の影響
→同じ温湿度環境で測定してください。一般に絶
縁物は温湿度が上がると絶縁抵抗値が下がる
特性があります。
参考:温度が 10°C 上昇すると絶縁抵抗値が 1/4
以下に低下する絶縁ケーブルもあります。
校正したところ、
絶縁抵抗レンジの
確度が仕様を外れ
た。
テストリードのケーブルの絶縁抵抗が小さい。
→ IR4000 シリーズの付属またはオプションと
なっているテストリードを使用して校正して
ください。一般の電線では、1000 V レンジの
1000 MΩ 以上で特に大きな影響がでます。
出力電圧の極性が
逆
絶縁抵抗計の特性です。故障ではありません。
→「 出力電圧の極性について」( p. 付 1) 参照