付
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付録
付録 1 接地抵抗
接地電極と大地との間の抵抗のことを一般的に接地抵抗と呼んでい
ます。正確には、接地導体の抵抗、接地導体と大地との間の接触抵
抗、および大地の抵抗の総和です。
接地抵抗は、通常の抵抗器とは異なり、次のような特殊性がありま
す。
•
分極作用
大地は電解質のような性質をもっているため、分極作用があり、
直流電流を流すとその電流と反対向きの起電力が発生して正確に
測定ができません。そのため、接地抵抗の測定には、一般的に数
十
Hz 〜 1 kHz の矩形波や正弦波が用いられます。
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特殊な形態
接地抵抗は、接地電極と大地との間の抵抗です。大地から取り出
して測定することができません。
大地の抵抗率は比較的大きいため、測定するための電流が流れる
電極付近では電圧降下を生じます。このため、接地電極の抵抗値
を正確に測定するためには、各電極(
E 電極、S(P) 電極、H(C)
電極)を 10 m 程度離す必要があります。
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外乱要素の存在
接地抵抗の測定には、地電圧や補助接地電極の影響などの外乱要
素が存在します。
接地電極に接続された機器からの漏洩電流による地電圧は、接地
抵抗計が検出したい信号に重畳し、測定値に影響を与えます。ま
た、補助接地電極の接地抵抗が大きいと、測定電流が小さくなり、
地電圧などのノイズの影響を受けやすくなります。
本器は、これらの外乱の影響を受けにくい方式を採用しており、
悪条件下でも正確に測定できます。
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