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インターネット接続(WAN設定)
本機能により、同時に複数の WAN リンク (および、おそらく複数の ISP) を使用することができます。1 つ以上の WAN ポートを設定後、ロードバ
ランシングオプションは、1 つ以上のリンクにトラフィックを送信することができるようになります。プロトコルバインディングは、インターネッ
トフローを管理するために 1 つ以上の WAN ポートにサービスを分けて、割り当てるのに使用されます。ロードバランシングモードの場合、定義済
み故障検出方式は、すべての設定済み WAN ポート上で定期的に使用されます。
DSR は、現在、ロードバランシングのために 3 つのアルゴリズムをサポートしています。
• Round Robin : このアルゴリズムは、1 つの WAN ポートの接続速度が他の速度と大きく異なる場合に特に役に立ちます。この場合、低い待ち時
間であるサービス(VoIP など)をより高速なリンクに送信し、低容量のバックグラウンドトラフィック(SMTP など)は低速のリンクに転送す
るようにプロトコルバインディングを定義できます。プロトコルバインディングは次のセクションで説明します。
• Spill Over : スピルオーバ方式が選択されると、定義したしきい値に達するまで、プライマリ WAN は専用リンクとして機能します。この後、セ
カンダリ WAN は新しい接続に使用されます。スピルオーバロジックがプライマリからセカンダリ WAN に移動する外向き接続を管理するため、
セカンダリ WAN の内向き接続は、本モードで許可されます。次のオプションを使用することによって、スピルオーバモードを設定できます。:
- Load Tolerance : ルータがセカンダリ WAN に切り替わる最大帯域幅 (%) です。
- Max Bandwidth : この数値には外向きトラフィックに対してプライマリ WAN で許可される最大の帯域幅を設定します 。
外向きトラフィックに対してリンクの帯域が最大帯域数のロードトレランスを上回ると、ルータは次の接続をセカンダリ WAN に切り替えます。
例えば、プライマリ WAN の最大帯域幅が 1Kbps であり、ロードトレランスが 70 に設定される場合です。新しい接続が確立されるたびに、帯
域幅は増加します。ある接続数で帯域幅が 1Kbps の 70% に到達すると、新しい外向きの接続はセカンダリ WAN に切り替えられます。ロード
トレランスの最大値は 80%、最小値は 20% です。
ロードバランシングは、1 つの WAN ポートの接続速度が他の速度と大きく異なる場合に特に役に立ちます。この場合、待ち時間が短いサービス (VoIP
など) をより高速なリンクに送信し、低容量のバックグラウンドトラフィック (SMTP など) は低速のリンクに転送するようにプロトコルバインディ
ングを定義できます。
以下の通り、複数の WAN ポートが設定され、プロトコルバインディングが定義されると、ロードバランシングが利用できます。
図 5-26 ロードバランシングの設定例