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4.3.1 海面反射
波立っている海面では画面の中心に明るく広がった映像が現れます。これは海面からの反射映
像で、波の大きさ・範囲また風向きによっても映像の現れかたが変化します。
4.3.2 偽 像
実在しない物標が画面上に映像として現れたり、実在する物標が映像として現れないことがあり
ます。このような映像を偽像と呼びます。
偽像は次のような原因によります。
観測は、常に偽像の存在を念頭に置き、注意して行ってください。
(a) 影
空中線の設置場所によっては、近くにある煙突やマストで電波が反射して「影」ができ、
その方向にある物標が PPI 画面上に映像として現れないことがあります。
このような「影」があるかどうかは、海面反射映像を見てその映像に薄い部分か、あるい
は映し出されない部分が有るかを調べることでわかります。もし、「影」が出るときはその
方向をよく覚えておき、注意して物標を観測してください。
(b) サイドエコー
物標の映像と同一距離上に円弧状の破線の映像が現れることがあ
ります。これは、空中線から輻射されるビームのサイドローブによる
ものです。この偽像は物標が孤立しているときには、比較的判断しや
すいでしょう。
(c) 二次反射映像
レーダ空中線から発射された電波
が、船の煙突やマストなどに反射(二
次反射)して方向が変わってしまい、
実際には存在しない方向にも、物標
があるかのように映し出されること
があります。
このときの二次反射による映像は、
空中線からの電波を反射した煙突や
マストの方向に現れます。